ゆる中学受験って何?イメージに先行される「ゆるい中学受験」の大きな勘違い

親の関わり方
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こんにちわ。スマイルパパ(@二児の中学受験生パパ)です。

ゆる中学受験、ゆるい中学受験というキーワードが注目されたことがあります。

ゆる中学受験ってのんびりしたイメージだけど、どんな中学受験なんだろう?

中学受験と言えば、受験生が学力を競い合う猛烈な競争イベント。

中学受験は親子の受験。

受験生は小学生ですが、毎日の送り迎え、自宅での宿題管理など、親がどっぷり関わるのが中学受験。

そのため、「宿題やテストの点数の話で、親子のけんかが絶えない。」「思ったように成績が上がらず、家庭内が疲弊していく。」と言うことは少なからずどの家庭でもある話でしょう。

そんな時「そこまで子供を追い込む必要はあるのだろうか。」「無理せず学力にあった学校を目指した方がよいのではないか。」と考える家庭も多いことでしょう。

そんな悩みを抱える家庭に、ゆるい中学受験、ゆる中学受験という言葉がヒットしたのかもしれません。

この記事では、ゆる中学受験とは何なのか?ゆるい中学受験についてお話します。

ゆる中学受験とは?

まず、ゆる中学受験とはどのような受験でしょうか?

実は「ゆるい」という定義は、中学受験をどのように挑みたいかという家庭の考え方により様々です。

「何をゆるいと言うのか?」この記事ではゆる中学受験を以下と定義します。

この記事の「ゆる受験」の定義
  • 中学受験を始める時期は5年生から
  • 四谷大塚偏差値50前後の中堅校をターゲットにする

5年生から受験勉強を始めるため、勉強期間は2年間。

勉強を頑張る大変な期間が4年生から始める場合に比べて1年間短くて気が楽。

塾費用も4年生から通い始める場合に比べ安く済む。

難関校を目指すのは大変だけど、中堅校なら無理せず入れるだろう。

中堅校ぐらいに入ってもらえれば親としても満足。

このような家庭を想像してみます。

偏差値50はそんなに簡単ではない

まず、ゆる中学受験がターゲットにする志望校は、四谷大塚偏差値の50というレベル。

この中学受験で偏差値50というレベル、高校や大学受験では偏差値60〜65ぐらいの意味を持ちます。

中学受験を受験する小学生は、小学校のクラスの中でも勉強ができる子が多いです。

そのため、中学受験の母集団のレベル自体が高いのです。

勉強ができる子が集まった集団の中での偏差値50、つまりその集団の中の平均になるということは、大人が思っているほど簡単な話ではありません。

また、中学受験の問題は、小学校の勉強だけでは解けるものではなく、中学受験用の勉強をしないと解けるようにはなりません。

そのため、偏差値50に到達するにも、中学受験の勉強は一通り必要ということになります。

偏差値50を維持するのは簡単なことではないのだね。

学力相応なら、それはゆる受験ではない

中学受験では、自分の学力レベルを確かめるため定期的にテストを受けます。

テストの偏差値が50だった場合、偏差値50の学校に合格するには他の受験生と同様、多くの時間を受験勉強に割く必要があるでしょう。

偏差値は受験生全体の中で、自分のポジションを示しています。

偏差値50の受験生の偏差値が下がれば、その代わりに偏差値50以下の他の受験生の偏差値が上がるということです。

偏差値50を維持するには、他の受験と比べて負けないように勉強し続ける必要があります。

油断しているとあっという間に、隣でコツコツ頑張っているライバルに抜かされます。

そのため、偏差値50を維持するには、他の受験生並みに受験勉強は必要ということになります。

学力に見合った学校を目指すなら、他の受験生と同じぐらい勉強しないとね。

5年生から始めて合格できるなら4年生から始めた方がよい

さて、ゆる中学受験として小学校5年生から受験を始め、偏差値50の学校に合格したとします。

小学校5年生から始めたゆる受験だとしても、勉強する範囲は進学塾で4年生から組まれているカリキュラムの範囲であることは変わりありません。

小学校4年生から受験勉強を始めた子に比べ1年間の後発スタートです。

5・6年生の2年間で、4年生から勉強している3年間に追いつかなければなりません。

単純に考えれば、追いつくためには4年生から勉強している受験生よりも、毎日の勉強時間を多くとらなければ追いつけません。

ゆるい中学受験というより、短期集中型の詰め込み型の受験勉強になってしまいます。

それがイメージしていた、ゆる中学受験ではないと思います。

また、5年生から始めて偏差値50の学校に合格したとすると、1つ気になることも出てくるでしょう。

もし4年生から受験勉強を開始していたら、もっと上位の学校に合格できたのではないか?

5年生から始めるよりも4年生から始めた方が、それこそゆとりを持って受験勉強ができたかもしれません。

きっと4年生から始めていればよかったと思うでしょう。

そう思わないために、中学受験を始めるのであれば4年生から始めることが望ましい言えます。

中学受験を始めるのは4年生が望ましいね。

コスパ重視ならそもそも中学受験は難しい

中学受験を5年生から始めるメリットに、受験勉強のコストが削減できることがあります。

4年生1年間の塾代が発生しないため、その分のコストは安くなります。

中学受験を4年生から6年生まで進学塾に通った場合、進学塾の費用が300万〜400万円程度かかると言われています。

4年生の1年間分で100万円程度は削減できるのではないでしょうか。

しかし、受験勉強にかかる費用は削減できたとしても、受験に見事合格し、私立中学に入学するのであれば、中学・高校の学費も考えておかなければなりません。

私立の中学・高校は6年間で約700万円程度かかると言われています。

受験勉強にかかる費用よりも、さらに高額な費用がかかります。

もし、コスト削減を理由に、5年生からの通塾を検討している場合には、やめた方がよいでしょう。

他の受験生に比べ1年遅くスタートすることは、受験生にとっては体力的にも精神的にも大変なことになります。

コスパ重視での5年生からの通塾はあまりお勧めできないね。

中途半端が1番良くない

5年生から受験勉強を始めて偏差値50の学校に合格する「ゆる中学受験」。

5年生から受験勉強を始め、偏差値50の学校に合格できる学力があったら、4年生から始めていればさらに偏差値上位の学校に合格できたでしょう。

5年生から受験勉強を始め、偏差値60だった子であれば、あまり受験勉強に時間をかけなくても偏差値50の学校に合格できるかもしれません。

それが「ゆるい」中学受験のイメージなのかもしれません。

しかし、偏差値60だった子が偏差値50の学校に入って、満足するのでしょうか。

「もう少しちゃんと勉強していれば偏差値60の学校にも入れたかもしれない。」

そんな気持ちを抱くかもしれません。

中学受験は志望の学校に合格することが目的です。

しかし、合格だけでなく、全力で物事にチャレンジし、最後までやり切ったという達成感や自信を身につける成長の機会でもあります。

ゆるい中学受験=全力ではない中学受験だと捉えると、中途半端な消化不良の中学受験になってしまわないかが心配です。

そこまで器用な子はいないですし、やるなら全力で目の前の中学受験にぶつかってほしい。

やるなら全力で最後まで走り切ることが大切です。

中学受験を最後までやりきった達成感は、今後の人生の大きな糧になる

ゆる中学受験とは親の気持ちをゆるめる受験であるべき

受験勉強は、自分の子が周りと比べてどの程度勉強ができるのかわかない状態で始まります。

できることなら偏差値の高い学校に。

難関校に合格させたいが今の学力だともう少し頑張らないと。

子供の未来を考えて、子供のことを想って、なるべくいい学校に入れたいという気持ちは、親であれば誰もが想っていることでしょう。

子供が毎日頑張っていることも隣で見ていてわかっている。

応援したい気持ちから始まる声掛けが、ついつい言葉がキツくなり、やがて子供を追い詰めてしまう。

自分事なら自分が頑張ればいいが、受験生は子供。

想ったように行動してくれない子供の姿を見て、歯がゆい想いから、また言葉がキツくなる。

そんな毎日に疲れて疲弊してしまう。

この状況を変えるには、自分たち親が気持ちをゆるめることが必要。

頑張っている子供を受け入れて、全力で応援する。

親に気持ちのゆとりができればきっと色々な景色が変わってくるでしょう。

そうした親の気持ちをゆるめる中学受験を「ゆる中学受験」と考えてもいいのではないでしょうか。

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